平成30年度 長田 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 5 20 24 42 88 157 322 507 300
<定義>
◆ 2018年4月1日~2019年3月31日までの1年間に退院された患者さんの人数を、10歳刻みの年齢階級別に集計しています。
◆ 年齢は患者さんの入院した時点で集計しています。
◆ 急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 10名未満の患者数は、-(ハイフン)で表示しています。


<解説>
 当院は福岡県の中でも32.9%と高齢化率の高い柳川市において、外来・入院ともに15歳以上の患者さんを対象にご利用いただいて
おります。その中でも内科専門病院としての役割を果たしており、主に高齢者を中心とした地域密着の医療サービスを提供しているのが
当院の特長です。
 また、当院の取り組みとして、多職種で連携をおこないフレイル予防に努めております。高齢者の多くの場合、フレイルの時期を経て、
徐々に要介護状態に陥ると考えられています。要介護状態の時期を遅らせるために、フレイルフローチャートや予防テキストを用いて指導を
おこなっております。
※フレイルとは、心も身体も脆弱な状態で、介護までの中間状態のことを言います。


診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 78 52.69(29.26) 20.92 2.55 86.69
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 72 2.00(2.00) 2.04 0 56.82
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 45 42.67(24.40) 19.06 2.22 77.56
0400801499x002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 34 27.21(20.61) 15.17 0 85.94
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 33 51.64(17.84) 13.63 0 78.58
<定義>
◆ 2018年4月1日~2019年3月31日までの1年間に退院された患者さんで急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 当院の在院日数は、入院した日から退院した日までの日数で、急性期病棟(3・4階病棟)以外の病棟に転棟した場合も
日数に含まれています。
※( )内の数値は、急性期病棟(3・4階病棟)のみの入院期間を表しています。


<解説>
 呼吸器内科は入院の約半数占めており、近隣の病院や診療所、介護施設等からの紹介が増えています。
 誤嚥性肺炎は、施設からの紹介がほとんどで、脳卒中後遺症を含む寝たきりや認知症のある患者さんが多い傾向にあります。
 次に細菌性肺炎の発症は、市中肺炎によるものがほとんどです。肺炎の特徴として、年齢が高齢化するほど入院日数が長くなる傾向に
あります。当院では、まず急性期の治療(薬物療法や急性呼吸不全に対する酸素療法)をおこないます。
肺炎治療後の患者さんは在宅復帰のため回復期や療養病棟でリハビリを継続する場合や後方支援(自宅の改修や施設等への支援)を
おこなっているため、入院日数が長くなる傾向にあります。

 睡眠時無呼吸症候群に対し、睡眠時ポリソムノグラフィ(PSG)検査を実施している専門施設です。
基本的に夕方から朝までの1泊2日の入院で検査をおこないますので、職業関連で検査を受けられる患者さんが多い傾向にあります。

 当院の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の約9割の患者さんは、長期間喫煙したことが影響したものと考えられる方です。
COPDの主な原因は喫煙であり、中高年頃より症状が出てくるケースが多く、早期診断と予防が重要になってきます。
発症後は、できる限り状態を悪化させないように、早期にリハビリや薬物療法をおこなっています。
一方で患者さんによっては、COPDの二次感染や急性増悪といった形で繰り返し入院されるケースがあります。
特に治療後はリハビリを継続されることが多く、他の医療機関より入院期間が長くなっています。

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 42 13.31(10.92) 5.42 0 70.12
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 27 8.59(8.59) 7.75 7.41 64.59
010069xx99000x 脳卒中の続発症 23 4.78(4.78) 9.89 0 87.17
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 23 12.96(12.95) 8.93 0 71.65
060340xx99x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 19 13.79(11.15) 9.81 57.89 88.32
<定義>
◆ 2018年4月1日~2019年3月31日までの1年間に退院された患者さんで急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 当院の在院日数は、入院した日から退院した日までの日数で、急性期病棟(3・4階病棟)以外の病棟に転棟した場合も
日数に含まれています。
※( )内の数値は、急性期病棟(3・4階病棟)のみの入院期間を表しています。


<解説>
 ウイルス性腸炎での入院は、夏から秋にかけての感染性胃腸炎が主な原因となっています。
年度によっては、ノロウイルスが冬場に流行することにより、患者さんの数に影響してきます。

 大腸憩室症では、大腸憩室炎、大腸憩室出血での入院が多い傾向にあります。まず、CT検査をおこない絶食・輸液・抗生剤の
点滴加療後に大腸内視鏡検査にて炎症・出血の確認をおこないます。虚血性腸炎も同様の加療をおこないます。

 脳卒中の続発症で口から充分に栄養が取れない患者さんに対して、胃ろうを造設されている患者さんに対し入院のうえ半年に1回
胃ろうの交換をおこなっています。

 胆管結石による胆管炎は、CT検査を実施することによって結石の有無や大きさが確認できます。
その原因となる結石の大きさ(状態)を確認し、結石除去が必要な患者さんについてはできるだけ早期に内視鏡的治療や外科的治療の
おこなえる病院へ紹介するようにしています。そのため、外科のある病院より転院率が高くなる傾向にあります。

循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 66 40.03(26.40) 17.66 3.03 88.67
030400xx99xxxx 前庭機能障害(めまい) 18 8.56(5.22) 5.10 0 70.72
080010xxxx0xxx 蜂巣炎(蜂窩織炎) 11 20.82(19.36) 12.51 9.09 81.09
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 6.24
050140xx99x00x 高血圧性疾患 8.80
<定義>
◆ 2018年4月1日~2019年3月31日までの1年間に退院された患者さんで急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 当院の在院日数は、入院した日から退院した日までの日数で、急性期病棟(3・4階病棟)以外の病棟に転棟した場合も
日数に含まれています。
※( )内の数値は、急性期病棟(3・4階病棟)のみの入院期間を表しています。


<解説>
 循環器内科では、高齢化に伴い心不全が多い傾向にあります。
心不全を起こす原因として、心筋梗塞や狭心症、心臓弁膜症の既往歴を基礎疾患として持っていることがあります。
主に入院中は、薬物治療や酸素療法を行い改善に努めていますが、寝たきりや筋力低下のある患者さんに対しては、
積極的なリハビリや栄養指導を実施しています。特に高齢者の方は、入院中にADL(生活自立度)が下がることも多く、
状態が安定してからも回復期(地域包括ケア)病棟へ移行し、積極的なADLの向上にも繋げています。

 次にめまい(前庭機能障害)での入院が多い傾向にあります。不安を抱えている高齢の患者さんにつきましては、
短期での入院対応をおこなっています。
また各患者さんに応じて、循環器または脳卒中の専門医師へ依頼し、より正確な診断から治療までおこなえる体制を整えています。

 次に蜂巣炎(蜂窩織炎)は、皮膚の感染症の一種であり、ほとんどの患者さんが下肢に発症されています。
細菌感染症のため抗生剤の点滴加療をおこない、必要時には皮膚切開術をおこなっています。

 
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 21 27.05(16.47) 12.58 0 82.57
110280xx99000x 慢性腎臓病(慢性維持透析) 19 22.47(15.57) 12.05 5.26 80.05
110280xx99010x 慢性腎臓病(透析導入) 14.21
11013xxx99xxxx 下部尿路疾患 9.41
100393xx99xxxx 高カリウム血症・低ナトリウム血症 10.03
<定義>
◆ 2018年4月1日~2019年3月31日までの1年間に退院された患者さんで急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 当院の在院日数は、入院した日から退院した日までの日数で、急性期病棟(3・4階病棟)以外の病棟に転棟した場合も
日数に含まれています。
※( )内の数値は、急性期病棟(3・4階病棟)のみの入院期間を表しています。


<解説>
 腎臓・尿路感染症は、当院でも高齢者の女性に多く発症しています。地域的にも高齢化が進んだたことが影響していると考えられます。
入院時に感染の原因菌を特定し、適切な抗生剤の点滴加療をおこなっています。

 当院では、末期腎不全に対しては人工透析を中心とし、その他の慢性腎臓病に対しては食事療法や薬物療法をおこなっています。
急性期から慢性期まで腎疾患全般にわたり診療をおこなっています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 1 7
大腸癌 1 7
乳癌 1 7
肺癌 12 11 16 1 7
肝癌 17 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
〈定義〉
◆ 2018年4月1日~2019年3月31日までの1年間に退院された患者さんで急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 5大癌(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)で退院された患者さんの数を集計しています。
◆ 初発のUICC病期分類別(4病期)または不明、および再発に分けて集計しています。
◆ 10名未満の患者数は、-(ハイフン)で表示しています。なお、患者数は延べ患者数です。


<特徴>
当院の特徴として、肺癌の検査入院や肺癌に対する化学療法、肝癌に対する肝動脈化学塞栓療法をおこなっている患者さんが
多い傾向にあります。
一方で、高齢者や治療が困難な患者さん(病期分類が不明または再発)の多くは、主に緩和ケア目的で入院された患者さんになります。
そのため、分類不明や再発患者さんが多い傾向になっています。

※ 緩和ケアとは、肉体的な苦痛を取り除くための治療をおこなうだけでなく、精神的な苦痛、孤独、不安などを軽減し、人間らしく、
尊厳をもって有意義に生きぬくことができるよう援助することを目的としています。入院後ご病状の評価を行い、適切なケアを提供すると
共に、退院・転院支援もさせていただきます。 院外からの紹介で、短期間入院にてコントロールが必要な患者さんにも対応ができます。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 32 11.19 58.28
中等症 92 22.51 80.99
重症 22 34.00 86.55
超重症 10 23.20 87.10
不明
<定義>
A-DROPシステム
A(Age):男性70歳以上、女性75歳以上
D(Dehydration):BUN 21mg/dl以上または脱水あり
R(Respiration):SpO2 90%以下(PaO2 60torr以下)
O(Orientation):意識障害あり
P(Pressure):血圧(収縮期)90mmHg以下
---------------------------------------------
軽症:上記指標のいずれも該当しないもの
中等度:上記指標の1つまたは2つを有するもの
重症:上記指標の3つ以上を有するもの。ただし意識障害・ショックがあれば1項目のみでも重症とする
超重症:上記指標の4つまたは5つを有するもの


<解説>
 近年、高齢者の増加に伴い肺炎で入院される患者さんが多くなっています。
当院の特徴として、地域的にも高齢者が多いことから、軽症以上の肺炎で入院される方が年々多くなっています。
前年度と比較して重症・超重症の件数が増加しています。
 また高齢者が肺炎を発症した場合、重症化しやすく、在院日数も長くなる傾向にあります。
重症度因子別割合として、年齢による因子の割合が最も多く、次いで脱水、呼吸不全となっています。
重症では、中等症の肺炎に比べ、肺炎からの合併症や他の疾患を併発して起こしていることが多い傾向にあります。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 13 63.92 83.77 1538
その他
 当院での脳梗塞患者のうち、発症から3日以内の患者さんが約9割を占めています。
内訳としては、主にアテローム性脳梗塞発症の患者さんがほとんどですが、その背景には糖尿病や高血圧の疾患を持っていることがあります。
当院では、このような患者さんに対して、常にCTやMRIを実施できるよう24時間体制をとっています。
また脳梗塞の診断後には、脳保護療法(ラジカットやエダラボン)や抗凝固療法(アルガトロバン)を開始すると同時に、
ADL向上のために早期リハビリを実施できるような体制も整えています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 10 2.00 14.90 0 74.30
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満)
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。)
K654 内視鏡的消化管止血術
K5223 食道狭窄拡張術(拡張用バルーンによるもの)
<定義>
◆ 2018年4月1日~2019年3月31日までの1年間に退院された患者さんで急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 1入院期間に複数の手術をおこなった場合は、主たる手術のみのカウントとなります。
◆ 10名未満の患者数は、-(ハイフン)で表示しています。


<解説>
 血管塞栓術では、肝臓癌(主に肝細胞癌)に対して、TACE(肝動脈化学塞栓療法)目的に入院される患者さんが対象です。
ほとんどがウイルス性肝炎からの肝臓癌に進行した患者さんが入院で治療を受けられています。
特に福岡県は地域的にも慢性肝炎に罹患している人が多いため、肝臓癌を発症するリスクが高くなっています。
また現在では、C型肝炎の治療方法も拡がり、肝臓癌を発症しないために外来での積極的な治療を実施しています。

2018年4月より地域包括ケア病棟(5階病棟)にて、120件の内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術をおこなっています。

 
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
<定義>
◆ 2018年4月1日~2019年3月31日までの1年間に退院された患者さんで急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 1入院期間に複数の手術をおこなった場合は、主たる手術のみのカウントとなります。
◆ 10名未満の患者数は、-(ハイフン)で表示しています。


<解説>
2018年4月より地域包括ケア病棟(5階病棟)にて、32件の日帰り手術(経皮的シャント拡張術・血栓除去術)をおこなっています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一
異なる
<定義>
 播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症の発生率。


<解説>
 当院では10症例未満のため、公表できる数値が反映されておりません。

更新履歴
2019/9/30
機能評価係数Ⅱの保険診療指数における「病院情報」を公開しました。