平成29年度 長田 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 11 15 27 47 90 251 403 561 274
<定義>
◆ 2017年4月1日~2018年3月31日までの1年間に退院された患者さんの人数を、10歳刻みの年齢階級別に集計しています。
◆ 年齢は患者さんの入院した時点で集計しています。
◆ 急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 10名未満の患者数は、-(ハイフン)で表示しています。

<解説>
当院は福岡県の中でも32.3%と高齢化率の高い柳川市において、外来・入院ともに15歳以上の患者さんを対象にご利用いただいております。その中でも内科専門病院としての役割を果たしており、主に高齢者を中心とした地域密着の医療サービスを提供しているのが当院の特長です。
また入院では、呼吸器内科や消化器内科、循環器内科を中心とした内科診療の提供を行っていますので、比較的年齢層の高い患者さんが入院されています。
一方で、睡眠時無呼吸検査や内視鏡による大腸ポリープ切除術や糖尿病(血糖コントロールや教育入院)等を積極的に行っているため、入院される中高年の方が増加傾向にあります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 99 64.21(28.80) 20.83 0 87.48
0400801499x001 肺炎等・スコア1(市中肺炎かつ75歳以上) 47 20.15(16.62) 13.51 0 84.09
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 45 36.51(20.47) 13.83 0 78.89
0400801499x002 肺炎等・スコア2(市中肺炎かつ75歳以上) 45 20.20(17.89) 15.12 0 85.04
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 33 22.33(14.06) 14.60 0 79.09
<定義>
◆ 2017年4月1日~2018年3月31日までの1年間に退院された患者さんで急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 当院の在院日数は、入院した日から退院した日までの日数で、急性期病棟(3・4階病棟)以外の病棟に転棟した場合も日数に含まれます。
※( )内の数値は、急性期病棟(3・4階病棟)での入院期間を表しています。
<解説>
当院では、呼吸器内科での入院割合は53%を占めており、最近では、近隣の病院や診療所、介護施設等からの紹介が増えています。
誤嚥性肺炎は、施設からの紹介がほとんどで、脳卒中後遺症を含む寝たきりや認知症のある患者さんが多い傾向にあります。次に細菌性肺炎の発症は、市中肺炎によるものがほとんどです。肺炎の特徴として、年齢が高齢化するほど入院日数が長くなる傾向にあります。当院では、まず急性期の治療(薬物療法や急性呼吸不全に対する酸素療法)を行います。肺炎治療後の患者さんは在宅復帰のため回復期や療養病棟でリハビリを継続する場合も多く、他の医療機関より入院日数が長くなる傾向にもあります。他にも、外部要因として、後方支援(自宅の改修や施設等への支援)を行いますので、入院日数が長くなることもあります。
当院の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の約9割の患者さんは、長期間喫煙したことが影響したものと考えられる方です。COPDの主な原因は喫煙であり、中高年頃より症状が出てくるケースが多く、早期診断と予防が重要になってきます。発症後は、できる限り状態を悪化させないように、早期にリハビリや薬物療法を行っています。一方で患者さんによっては、COPDの二次感染や急性増悪といった形で繰り返し入院されるケースがあります。特に治療後はリハビリを継続されることが多く、他の医療機関より入院期間が長くなっています。


※睡眠時無呼吸症候群は短期滞在手術等入院料に該当するため診断群分類として集計対象外(退院患者数は99件)となっております。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 41 12.66(11.12) 5.50 0 63.78
060210xx99000x 腸閉塞(イレウス) 20 14.90(10.40) 8.98 0 71.60
060335xx99x00x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 19 16.68(13.95) 10.91 26.32 74.47
010069xx99000x 脳卒中の続発症 16 8.88(3.19) 9.92 0 86.13
060340xx99x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 15 15.73 9.85 26.67 85.53
<定義>
◆ 2017年4月1日~2018年3月31日までの1年間に退院された患者さんで急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 当院の在院日数は、入院した日から退院した日までの日数で、急性期病棟(3・4階病棟)以外の病棟に転棟した場合も日数に含まれます。
※( )内の数値は、急性期病棟(3・4階病棟)での入院期間を表しています。
<解説>
ウイルス性腸炎での入院は、夏から秋にかけての感染性胃腸炎が主な原因となっています。年度によっては、ノロウイルスが冬場に流行することにより、患者さんの数に影響してきます。
腸閉塞(イレウス)のほとんどは機械的イレウスによるものになります。当院では、特に大腸癌術後の癒着性イレウスが最も多く、他に大腸癌(腫瘍)による閉塞性イレウスや高齢者の便秘によるイレウスなどが多い割合を占めています。内科的治療が可能と判断した場合には、イレウス管と呼ばれるチューブを使った治療と口からの栄養補給による輸液の投与を併用して治療を行っていきます。
胆のう炎や胆管結石による胆管炎は、CT検査を実施することによって結石の有無や大きさが確認できます。その原因となる結石の大きさ(状態)を確認し、結石除去が必要な患者さんについてはできるだけ早期に外科のある病院へ紹介するようにしています。そのため、外科のある病院より転院率が高くなる傾向にあります。

※大腸ポリープに対し、内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術は短期滞在手術等入院料に該当するため診断群分類として集計対象外(退院患者数は121件)となっております。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 53 31.64(18.62) 7.71 3.77 87.51
030400xx99xxxx 前庭機能障害 32 9.69(8.31) 5.15 0 73.72
010220xxxxxxxx その他の変性疾患 16.77
161020xxxxx00x 体温異常 5.73
010060x2990401 脳梗塞(発症3日目以内) 16.38
<定義>
◆ 2017年4月1日~2018年3月31日までの1年間に退院された患者さんで急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 当院の在院日数は、入院した日から退院した日までの日数で、急性期病棟(3・4階病棟)以外の病棟に転棟した場合も日数に含まれます。
◆ 10名未満の患者数は、-(ハイフン)で表示しています。
※( )内の数値は、急性期病棟(3・4階病棟)での入院期間を表しています。
<解説>
循環器内科では、高齢化に伴い心不全が多い傾向にあります。心不全を起こす原因として、心筋梗塞や狭心症、心臓弁膜症の既往歴を基礎疾患として持っていることがあります。他にも、当院では糖尿病や高血圧、認知症などを持っている患者さん等も増えています。主に入院中は、薬物治療や酸素療法を行い改善に努めていますが、寝たきりや筋力低下のある患者さんに対しては、積極的なリハビリや栄養指導を実施しています。特に高齢者の方は、入院中にADL(生活自立度)が下がることも多く、状態が安定してからも回復期(地域包括ケア)病棟へ移行し、積極的なADLの向上にも繋げています。
次にめまい(前庭機能障害)での入院が多い傾向にあります。夜間は当直体制となり、人員が少ない状況にもなります。不安を抱えている高齢の患者さんにつきましては、短期での入院対応を行っています。また各患者さんに応じて、循環器または脳卒中の専門医師へ依頼し、より正確な診断から治療まで行える体制を整えています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎臓病 21 16.24(15.62) 12.23 0 77.76
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 12 16.42(13.08) 12.34 16.67 69.67
030400xx99xxxx 前庭機能障害 5.15
161020xxxxx00x 体温異常 5.73
110290xx99x00x 急性腎不全 14.30
<定義>
◆ 2017年4月1日~2018年3月31日までの1年間に退院された患者さんで急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 当院の在院日数は、入院した日から退院した日までの日数で、急性期病棟(3・4階病棟)以外の病棟に転棟した場合も日数に含まれます。
◆ 10名未満の患者数は、-(ハイフン)で表示しています。
※( )内の数値は、急性期病棟(3・4階病棟)での入院期間を表しています。
<解説>
当院では、末期腎不全に対しては人工透析を中心とし、その他の慢性腎臓病に対しては食事療法や薬物療法を行っています。急性期から慢性期まで腎疾患全般にわたり診療を行っています。
腎臓・尿路感染症は、当院でも高齢者の女性に多く発症しています。地域的にも高齢化が進んだたことが影響していると考えられます。入院時に感染の原因菌を特定し、適切な抗菌薬(点滴)の投与を実施しています。

※慢性腎臓病に対し、シャントPTA(経皮的血管形成術)は短期滞在手術等入院料に該当するため診断群分類として集計対象外(退院患者数は20件)となっております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 1 7
大腸癌 1 7
乳癌 1 7
肺癌 49 30 1 7
肝癌 11 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
〈定義〉
◆ 2017年4月1日~2018年3月31日までの1年間に退院された患者さんで急性期病棟(3・4階病棟)に1回以上入院された方を対象としています。
◆ 5大癌(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)で退院された患者さんの数を集計しています。
◆ 初発のUICC病期分類別(4病期)または不明、および再発に分けて集計しています。
◆ 10名未満の患者数は、-(ハイフン)で表示しています。なお、患者数は延べ患者数です。

<特徴>
当院の特徴として、肺癌の検査入院や肺癌に対する化学療法、肝癌に対する化学療法治療を行っている患者さんが多い傾向にあります。
一方で、高齢者や治療が困難な患者さん(病期分類が不明または再発)の多くは、主に緩和ケア目的で入院された患者さんになります。そのため、分類不明や再発患者さんが多い傾向になっています。

※ 緩和ケアとは、肉体的な苦痛を取り除くための治療を行うだけでなく、精神的な苦痛、孤独、不安などを軽減し、人間らしく、尊厳をもって有意義に生きぬくことができるよう援助することを目的としています。入院後ご病状の評価を行い、適切なケアを提供すると共に、退院・転院支援もさせていただきます。 院外からの紹介で、短期間入院にてコントロールが必要な患者さんにも対応ができます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 69 21.99 78.20
中等症 93 25.44 82.35
重症 40.67 88.66
超重症 23.14 83.57
不明
<定義>
A-DROPシステム
A(Age):男性70歳以上、女性75歳以上
D(Dehydration):BUN 21mg/dl以上または脱水あり
R(Respiration):SpO2 90%以下(PaO2 60torr以下)
O(Orientation):意識障害あり
P(Pressure):血圧(収縮期)90mmHg以下
---------------------------------------------
軽症:上記指標のいずれも満足しないもの
中等度:上記指標の1つまたは2つを有するもの
重症:上記指標の3つ以上を有するもの。ただし意識障害・ショックがあれば1項目のみでも重症とする
超重症:上記指標の4つまたは5つを有するもの

<解説>
近年、高齢者の増加に伴い肺炎で入院される患者さんが多くなっています。当院の特徴として、地域的にも高齢者が多いことから、軽症以上の肺炎で入院される方が年々多くなっています。平成28年度の軽症年齢は60歳前後でしたが平成29年度では平均年齢が78.2歳と年齢層が高くなっています。また高齢者が肺炎を発症した場合、重症化しやすく、在院日数も長くなる傾向にあります。重症度因子別割合として、年齢による因子の割合が最も多く、次いで脱水、呼吸不全となっています。重症では、中等症の肺炎に比べ、肺炎からの合併症や他の疾患を併発して起こしていることが多い傾向にあります。結果として、重症化すると治療期間が長くなってしまい、入院日数に影響を与えてしまいます。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 18 14.94 83.61 5.00
その他
当院での脳梗塞患者のうち、発症から3日以内の患者さんが約9割を占めています。内訳としては、主にアテローム性脳梗塞発症の患者さんがほとんどですが、その背景には糖尿病や高血圧の疾患を持っていることがあります。当院では、このような患者さんに対して、常にCTやMRIを実施できるよう24時間体制をとっています。また脳梗塞の診断後には、脳保護療法(ラジカットやエダラボン)や抗凝固療法(アルガトロバン)を開始すると同時に、ADL向上のために早期リハビリを実施できるような体制も整えています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 117 1.11 3.24 0 68.09
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 12 2.42 17.75 0 72.83
K654 内視鏡的消化管止血術 10 0.30 15.00 0 74.20
K722 小腸結腸内視鏡的止血術
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上)
消化器内科では、内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術を積極的に実施しています。来院目的としては、主に入院中や二次健診で大腸ポリープを指摘された方の入院がほとんどです。最近では、健康への意識が高まりつつあり、積極的に治療希望される方が多くなっています。
次に多いのが血管塞栓術になります。具体的には、肝臓癌(主に肝細胞癌)に対して、TACE(肝動脈化学塞栓療法)目的に入院される患者さんが対象です。ほとんどがウイルス性肝炎からの肝臓癌に進行した患者さんが入院で治療を受けられています。特に福岡県は地域的にも慢性肝炎に罹患している人が多いため、肝臓癌を発症するリスクが高くなっています。また現在では、C型肝炎の治療方法も拡がり、肝臓癌を発症しないために外来での積極的な治療を実施しています。
次に、吐血や下血といった消化管からの出血を止める内視鏡的消化管止血術が多くなっています。

腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 27 0.48 3.56 0   69.37
透析シャントは時に閉塞や狭窄することがあり、透析ができなくなったり時間が掛かるようになったりします。そのため、当院では透析を行っている患者さんが良好な血液透析が行えるように、シャントの閉塞や狭窄の早期発見できるよう管理しています。また基本的に日帰り手術(シャントPTA:経皮的血管形成術)を実施していますので、患者様の負担も少なく、透析日に併せてできます。シャントPTAとは、狭窄した血管にシースという針を挿入して、シースからバルーン(風船)付のカテーテルを挿入します。そして、狭窄した血管をバルーンを膨らませて内側から広げます。比較的低侵略で1~2時間程度で施行できることからAVF・AVG狭窄治療の第一選択とされます。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一
異なる
<定義>
 播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症の発生率。

<解説>
 当院では10症例未満のため、公表できる数値が反映されておりません。
更新履歴
2018/9/29
機能評価係数Ⅱの保険診療指数における「病院情報」を公開しました。